ネコの話4 <チーちゃんのこと>

 

 猫の話を書くのはとても久しぶりで、話大分遡っちゃうのですが、2010年猛暑の夏の間、ちーちゃんは食事の時間以外全く家に寄り付かなくなってしまいました。ちょこちょこ食いの癖がついてしまっていて5回は家でご飯を食べるのですが、ものの5分くらいしか家の中におらず、食べ終わると毛づくろいもせずに「出る!出る!」というのです。しかたがないので外に出すと、別に行くところがある訳でもなく、家の前で毛づくろいを始めます。とにかく、もう一匹のビーがいやでいやしょうがないのです。ちーちゃんは、雄で身体も大いのに、小さい牝猫のビーを見ると、怖がって逃げてしまうのです。猫の関係も微妙なものです・・・

チーちゃんは、身体は大きいけれど顔は小顔で、尻尾が長くてネコ科の野生動物のような趣のネコです。こうして夏は過ぎ、秋が来て10月になったある日、右の手が何か踏んだのか痛そうにしているのに気がつきました。大丈夫かなあと思っているうちに一日行方不明になりました。その翌日、心配して外に出て探していたら、近くの家の前に座っているのを見つけました。「ちーちゃん!」と呼んだら、助けてと言う感じに小さく鳴きました。走りよって行くと右手が犬のお手の状態に上がっていて、右手がグローブみたいに腫れていました。ネコの手がこんなに大きくなるのかとびっくりしましたが、とにか抱きかかえて家に連れて帰りました。

チーちゃんは、一緒に住んでいる母の膝の上が大好きだったのですが、家に居着かなくなってからは膝に乗る事もありませんでした。さすがに具合が悪くて家に入って安心したのか、ご飯のあととっても久しぶりに母の膝の上載って少し寝ました。

それから病院へ連れて行き、注射と薬で何とかよくなりました。このことを機会にまた家で寝るようになってくれたのですが、とにかく家の中にずっといるのは嫌なネコなのです。外に行くので土で足が汚れて、治りかけたと思ったらまた腫れて、治るのに時間が掛かってしまいました。しかし、以前のように母の膝の上に、日に三度は乗り、それから専用ブースでおっぱい飲みのポーズで手をグーパーグーパーしています。

 

そして、夜は必ず母の布団に載って寝ています。ビーがいるので私の部屋で寝る事は決してありませんが、長い間ベランダにも上がれなかったのが、このごろやっと上って来るようにもなり、自分でサッシの戸を開けて私の部屋に入ってくるようにもなりました。チーちゃんは、かなり神経が繊細なネコのようです。

11月の末に玄関前にあった大きな梅の木を植木屋さんを呼んで切りました。あまりに狭いところで大木になり、家の土台が割れてきてしまい、いままで沢山の実をつけてくれた梅の木に感謝とお詫びをしました。その、切った幹をトラックに乗せ終わったところに、いきなりチーちゃんが荷台に飛び乗ってきました。そして木の幹に乗って一生懸命に爪を研ぎました。いっつもチーちゃんが乗っていた梅の木に最後のお別れをしていたのでしょうか。そして、木がなくなった後の切り株を、きょとんとして不思議そうに眺めていました。