猫の話7

 

秋も進み、ビーちゃんに今年も予防接種をしてあげようと思い、獣医さんに連絡をして来て頂く時間を決めた。近頃はほとんど外にでなくてもいいビー ちゃんなのですが、またもや動物の感が働いて、予約時間の30分くらい前にドアの隙間から逃げた!捕まえようとしたのだけれど、そばのアパートの自転車置 き場を逃げ回り、物置の薄い隙間に逃げ込んでしまい出てくる様子がない。しかたなく、予約の取り消しをしてもらい、戻ったら獣医さんに連絡をすることにし た。いつもなら5分で家に帰ってくるビーちゃんですが、なかなか戻らず。それでも2時間もすると帰ってきた。再び獣医さんに連絡をして、何とかその日のう ちに往診してして予防注射をしてもらうことが出来た。

よかった!と思ったのですが、やっぱり精神的ダメージをまた受けてすっかりびびりネコ になり、家の中でもすぐ逃げる。3日ぐらい経ってやっと何とか元に戻ってきた。朝起きると、ヒーターの前のマットに横になって毛を梳かしてもらうのが大好き なビーちゃん。でも、必ずマットの縁を手で折り返して顔を隠します。そうするととっても安心、嬉しいのようです。あとは足でパタパタ蹴って喜んでおります。幸せの時間。

そうしてるうちに秋がもっと深まったある日、雄猫のチー太は朝6時ころ外に行ったまま夜になっても家に帰ってこなかった。チーちゃんは、家でぜんぜんトイレをしなくなってしまったので、2,3時間置きにご飯を食べに家に帰ってくるものの昼間は外にいるのが大好きな猫。翌日、近所を少し探して見たが見つからず、夜帰ってからも探してみたが見つからない。深夜ベランダに出ると空耳のように鳴き声が聞こえるような気もした。いなくなって初めて重い存在を感じた。3日目には見つけてあげないとと思った。「画像入りの探してます」の張り紙を作って家の周りに貼ってみた。翌日の予定をキャンセルして行方不明三日目になるチーちゃんの捜索をした。あんまり大きい声で呼ぶのも恥ずかしいけれど、名前を呼んで探した。近くに小さーい神社がある。大きな木が数本あって私の部屋の窓からも住宅越しに見え、四季を楽しませてくれていたが、地続きに住んでいる土地の持ち主がすべて一昨年伐採して今はコンクリートで壁を作ったようなとてもひどい風景に変わった。その塀越しの物置の所に行ってチーちゃんと呼ぶと猫の鳴き声がした。さらに呼ぶと、確実にチーちゃんとわかる声で必死に鳴くのが聞こえてきた。どうやら中に閉じ込められてしまったようだ。

偶然閉じ込められたのだと思った。視界に入っていても塀がありそこから行くことは出来ない。通りをぐるーっと迂回してその木を伐採した家を訪ねた。そしてうちの猫が納屋にいるようだと事情を話した。すると、何とそこの畑を荒らしにくるので見張っていて捕獲したということだった。作物を植えるとチー太が来て掘り返すというのだ。首輪をしていなかったら遠くに捨ててこられるところだった。飼い主の責任をさんざん説かれてケージまで借りて連れ帰る。猫道だったら近いところでも、人間が行くとぐるっと回らなければ行けないし、帰れない。前の日、かすかに鳴き声が聞こえたような気がしたのは空耳じゃなかったんだと思った。家に帰るとチーちゃんは普段の3倍ぐらいの量のごはんを食べた。そしてちょっとおしっこに行ってから死んだよう寝た。ああよかった。また捕まらないように気をつけないとね。それからは家にいる時間が前より大分増えたチーちゃん。お家が一番安心なんだよ。

 

死んだように寝ているチーちゃん
死んだように寝ているチーちゃん
部屋の窓から見える土蔵、左奥に問題の物置がある
部屋の窓から見える土蔵、左奥に問題の物置がある